家庭で行うアタマジラミ対策
アタマジラミって何?
アタマジラミは、集団生活をしている保育園、幼稚園、低学年児童を中心に、季節を問わず頻繁に発生しています。シラミは人の血を吸って生きている害虫で日本ではコロモジラミ、ケジラミ、アタマジラミの3種類がみられています。
アタマジラミは衛生状態に関係なく、誰でも感染の可能性があります。アタマジラミについて正しい知識を持って対策を行うことで、感染の拡大を防ぎ、短期間で解決できます。
家庭で行うアタマジラミ対策
アタマジラミとは?
- 人に寄生する吸血性の昆虫です。

- 成虫は、体長が3mm~4mm程度で、色は灰白色です(生まれてから灰白色→灰褐色→灰黒色と変化します)。
- 人の頭髪に寄生し、ふ化直後から吸血します。吸血されたあとは激しいかゆみが現れ、皮膚炎の原因となります。
- 人の体から離れると吸血できないので、1~3日で死んでしまいます。
アタマジラミの感染経路
頭や身の回りの物から、他の人の頭にアタマジラミが移動することにより、寄生が起こります。
たとえば…
- 遊び中や集団で昼寝をするなど頭と頭が接触すること。
- 身の回りのもの(寝具やタオル、帽子、くし、ブラシ、マフラー、ロッカーなど)を共用すること。
- 衣類を他の人のものと重ねておくこと。
- 海外旅行が増え、海外から持ち込まれることもあります。
アタマジラミの見つけ方
- 頭髪に付着している卵を見つけましょう。成虫や幼虫は頭部を動き回るので、寄生数が少ないと見つけにくいことがあります)。
- 卵は、頭髪の根元近く、特に耳の後ろの生え際や後頭部等の髪が厚めになっているところに多く見られます。
- 卵は、大きさが約1mmで、色は乳白色です。ヘアーキャスト(フケの一種)と見間違えやすいので気をつけましょう。
- 見分けるためには、指ではさんで引っ張ってみましょう。ヘアーキャストなら簡単に動きますが、卵であればなかなか動きません。
日常生活で気をつけること
- 毎日洗髪しましょう。
- 成虫や幼虫は普通のシャンプーで洗髪すれば、洗い流すことができます。卵は取り除くことができませんが、1週間くらいで幼虫になるので、洗髪していれば洗い流すことができます。ただし、子ども自身による洗髪は洗い方が不十分になりやすいので、大人が洗髪してあげましょう。
- 髪を目の細かいくしやブラシでとかしましょう
- 体に直接触れるものの共有を避けましょう(帽子・タオル・寝具・くし・ブラシ・マフラーなど)。
見つけた場合は?
- シラミ駆除医薬品を使う。市販されている駆除剤(フェノトリン製剤)があります。薬局・薬店でご相談ください。
- すきぐしですく。目の細かい「すきぐし」で丹念に髪をすくことによって、卵や成虫を取り除くことができます。
- ブラシやタオルなど直接頭に触れるものは共用しない。
- 下着や枕カバー、シーツ等は毎日取り替え、他のものとは別に洗濯しましょう。
- コートなどのように使用頻度が高く、毎日洗濯できないものについては、使用後ハケをかけましょう。
正しい知識で対処しましょう
アタマジラミは、不潔だから感染するわけではありません。毎日シャンプーしていても感染してしまうことがあります。
プール内での感染はほとんどなく、むしろプールに入る前後の共用ロッカーや脱衣かごなどの衛生対策が重要です。また、手で触ったくらいでは感染しません。ノミのように飛び跳ねたり、ハエのように飛んで伝播することはありません。正しい知識で対処しましょう。
保護者の皆さまへ
もし、お子さんがアタマジラミに感染したら、園や学校に知らせてください。園や学校で流行している可能性があります。
アタマジラミが発生している集団(学校・学園・クラス)が一斉に、期間を決めて駆除することが望ましいです。バラバラに駆除すると、再感染する可能性が出てきます。みんなで駆除しないとアタマジラミはなくなりません。