戸隠連峰春山情報
春山情報(戸隠地区遭対協)
戸隠連峰では、例年11月中旬から6月上旬まで雪があります。
(写真は令和5年4月25日のものです)
三文殊付近
特に、5月の連休を中心に、高妻山上部の雪渓での滑落(死亡、重傷)事故が発生しています。
毎年、戸隠山の開山祭は6月中旬に催行されます。
令和5年春の状況
高妻山・乙妻山、戸隠山(表山)、黒姫山(西)、飯縄山(西)・西岳
高妻山
信州山のグレーディング:4D、標準コースタイム:9時間・日本百名山
- コースが長く、アップダウンが多いので、時間と体力に余裕を持って行動すること。
- 残雪は6月下旬まで、九勢至~十阿弥陀の間の急斜面(山頂直下)にあり。
六弥勒から七薬師
八観音より九勢至
高妻山頂下(ヒゲスリ)
- 残雪の有無にかかわらず、山頂直下では毎年滑落事故が発生しているため、特に下山時の滑落に注意。
- 残雪期は、高妻山山頂直下(九勢至~十阿弥陀)の雪渓において、重傷事故が発生している。
(新潟県側へ数百メートル滑落し、大怪我をする事例あり)
- 弥勒尾根新道は、道はわかりやすい(笹の株などのつまずきに注意)
- 牧場~一不動の大洞沢沿いは、倒木、土砂崩れなどにより登山道がわかりにくいところがあるので、看板、ピンクテープ等を確認して進むこと。
特に滑滝下の道迷いが多い。(沢を渡るところを見逃し、まっすぐ行ってしまいやすい)
- 残雪期は、大洞沢のスノードームの踏み抜き、道迷いに注意。
一不動下

滑滝の下。雪渓の下は大洞沢で、水が流れています

滑滝下、雪渓が厚く、融雪とともにスノードームが薄くなります
- 帯岩の鎖は、雪がなくなるまで雪害防止のため、つながっていません。

帯岩(鎖はつないでいません、雪がついています)
- 大雨の後など、大洞沢、牧場内の沢、弥勒尾根新道入口の沢は増水するので、渡渉時注意。
戸隠山
信州山のグレーディング:3D、標準コースタイム:7時間(奥社~戸隠牧場の縦走)、ヘルメット着用推奨地域。
蟻の塔渡り

蟻の塔渡りのトラバース、鎖は雪の下
- 蟻の塔渡り・剣の刃渡り(ナイフリッジ)や多くの鎖場は、技術が必要。三点支持を身につけること、慎重に行動すること。
- 蟻の塔渡り・剣の刃渡りは、三点支持で通過する。技術に自信が無い限り、立って渡らない。
- 五十間長屋、八方睨のポイントで道を間違えやすい。休憩後は特に注意。
- 百間長屋の上は例年、最後まで雪が残り、雪崩が多発する箇所。
百間長屋の上
- 八方睨~屏風岩間の稜線上の道幅が狭いので、滑落事例あり。蟻の塔渡りの後も気をつける。
戸隠山稜線、雪庇あり
- 一不動~戸隠牧場の下り(大洞沢)は、沢筋で鎖場もあり、渡渉も数箇所あるので、マーキングを見逃さないよう注意。
(特に滑滝下。高妻山の項を参照)
黒姫山
信州山のグレーディング:3B、標準コースタイム、7時間
大橋林道~西新道分岐~黒姫山頂~峰の大池西登山道~大ダルミ~大橋林道コース
- 大橋林道から新道分岐までの登山道は竹藪が多い。
- 山頂から西登山道(峰の大池、大ダルミ方面)は、例年6月下旬まで雪があるので、道迷いに注意し、目印を確認する。
天狗岩周辺は、岩が大きく歩きにくいので注意。
- 新道分岐~大ダルミ周辺は、戸隠竹細工の森であり、ネマガリダケ(竹の子)採取は禁止です。
- 令和5年4月現在、西新道も中腹より上は積雪があります。
しらたま平下で稜線から降りるところの道迷い注意。
飯縄山
信州山のグレーディング:2B、標準コースタイム:5時間(西登山道(中社)~山頂~瑪瑙山~中社ゲレンデ)
- 飯縄山山頂から北、瑪瑙山・霊仙寺山への分岐の道迷い注意。
- 令和5年4月現在、西登山道は雪が多いです。
西岳(戸隠連峰)
信州山のグレーディング:5E(推定)、標準コースタイム:10時間、ヘルメット奨励地域。
- 非常に難易度の高い危険な山で、登山ガイドや経験者の同行が不可欠。
【一般登山道ではなく、バリエーションルートです】
- ナイフリッジや鎖場は、クライミング技術が必要。ヘルメット奨励。
- 6月中旬に残雪はほぼなし。稜線、鎖場は崩落があり、毎年状況が変わる。
- 本院岳裏(八方睨側)のトラバースはロープあり、通行注意。
- 採草地(大平)~楠川~鏡池の間、崩落により道が悪いところあり
- 奥社登山口→本院岳→西岳→P1→採草地→鏡池の逆時計回りルートを推奨。
戸隠地区山岳遭難防止対策協会
長野県「山岳情報」について
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