広報ながの2021年12月号掲載記事
巧みな車いす操作で相手をけん制し、決勝戦でもシュートを決めるなど、活躍を見せてくれました。
大会に向けての選考合宿で、自分がこう在りたいと思う姿でいるべきか、代表に残るためのバスケをするべきか、そこの折り合いがすごく難しかったです。自分の武器であるシュートは絶対に持ち味として出したいけど、シュートだけ打っていれば選考されるかといえばそうではありません。むしろ日本代表はディフェンスのチームなので。
でもやはり後悔したくないし、誰もが納得するような存在でいなきゃいけないし、自分で自分に納得したかったので、持ち味は最大限出すべきだと思いました。そして、結果それがうまくいき、(大会中の)要所でのシュートにつながりました。自分の武器を貫いたからそういうシーンをつくることができたと思います。納得感が得られる大会でした。
ゴールの瞬間、思わずガッツポーズが出たそうです。今まで何百本とレースを走ってきた中で、一番気持ちの良いゴール、本当に最高の瞬間だったと語ってくれました。3年後のパリパラリンピックに向けて、既に練習を開始しているとのことです。
あらかじめレースプランを、「ずっとこれで行く」と決めていました。レース中はやはり駆け引きが多かったですが、決めていたプランのとおり走りました。信念を貫き通したということが一番の勝因です。
また今年に入ってから、故障で2カ月くらい走れない期間がありました。やはり動揺するし、負の感情に押しつぶされそうなときもありましたが、「本当にそれでいいのか」「できることをやるしかないだろ」とずっと自分に言い聞かせてやってきました。
レースプランのとおり走り切ったことも、故障中の心の持ち方のことも、今回の大会は「ブレなかった」ことに尽きます。
広報広聴課