広報ながの2022年7月号掲載記事
市内では、イノシシ、シカ、サル、カラスなどによる農作物被害が多く報告されているほか、住宅敷地内でのキツネ、タヌキ、ハクビシンの目撃も相次いでいます。野生鳥獣から農作物を守るためには、加害獣の捕獲も必要ですが、環境対策や防除が重要となります。
また、今年も中山間地域では、人身被害を起こす可能性が高いクマの目撃情報が寄せられています。
野生鳥獣対策に「これを行えば大丈夫」といった特効薬はありません。被害を防ぎ、減少させるためにも、まずは市民の皆さん一人一人が対策をするとともに、地域全体で野生鳥獣を寄せ付けない環境づくりに取り組んでいきましょう。
家庭の生活ごみ(野菜くずや生ごみ)を畑などの農地や住宅敷地内に捨てないようにしましょう。また、柿などの果樹を放置していると、野生鳥獣の餌場やねぐらになる傾向があります。地域で合意の上、できるだけ伐採するなどして、野生鳥獣を寄せ付けない環境をつくりましょう。
耕作放棄地や農地周辺の「やぶ」は、野生鳥獣の格好の隠れ場所です。所有者ごとの対策のほか、地域ぐるみでも定期的に刈り払いなどを行い、野生鳥獣が近づきにくい環境をつくりましょう。
また、空き家や神社など、すみかになりやすい場所の見回りや侵入防止策をお願いします。野生鳥獣は、頭が入る隙間があれば侵入するため、天井裏や床下などの侵入口をふさぐなどの対策を取りましょう。
農地の周囲に防護柵や電気柵などを設置して、野生鳥獣の侵入を防ぎましょう。侵入された場合、破損した箇所はそのままにせず、修理をするなど、対策を取りましょう。
また、防護柵内の野生鳥獣の前脚が届きそうなところには、野生鳥獣が好まないトウガラシやピーマンなどの野菜の作付けをお勧めします。
市内には、中山間地域の農地周辺を中心に、多くの電気柵が設置されています。電気柵は、獣害対策として効果はありますが、取り扱い方法を間違えると、最悪の場合には感電死する可能性があるため、近づかないように注意しましょう。
また、電気柵を設置している皆さんは、感電や火災の恐れがないよう、次のとおり適切な設置や管理をお願いします。
行楽シーズンを迎え、郊外に出掛ける機会が増えるこれからの時季は、クマと遭遇しないよう、次の点にご注意ください。
山に入るときは、クマに人の存在を知らせるため、単独行動は避け、ラジオ、鈴、笛など、音の出る物を携帯しましょう。特に早朝と夕方は、クマの活動が活発になります。万が一クマに遭遇したら、慌てずに目をそらさず、ゆっくりと後ずさりしながらその場を離れてください。
子グマの近くには母グマがいる可能性があります。子グマには絶対に近づかないでください。
一度人間の食べ物の味を覚えたクマは、人里などに出没するようになります。残飯などは絶対に山や森林に捨てないでください。
森林いのしか対策課