花粉症を予防しましょう
花粉症を予防しましょう
1 花粉症とは
花粉症の正体は、花粉に対して人間の体が起こす異物反応です。体の免疫反応が、花粉に過剰に反応して花粉症の症状が出ます。体が花粉を外に出そうとするために「くしゃみ」で吹き飛ばしたり、「鼻水」「涙」で花粉を洗い流そうとしています。
また、シラカンバ花粉症など、スギ・ヒノキ科以外の花粉症では、花粉がつくと皮膚が荒れる、咳が出る、喘息を起こす、下痢や発熱、リンゴやモモなどを食べると口の中が腫れたりかゆくなったりすることもあります。
2 花粉症の症状を悪化させるもの
花粉症を悪化させている可能性があるものとして、空気中の汚染物質やストレスの影響などが考えられています。また、食生活など生活習慣の欧米化による人間側の変化の影響を指摘する意見もあります。
また、花粉症の症状と関連性の強いものの一つとして、タバコを指摘する報告があるほか、換気の悪い部屋でのストーブやガスレンジなどの燃焼による室内環境の汚染も花粉症の悪化に関係するとの指摘もあります。
3 花粉症の予防
(1) 花粉のばく露を防ぐ方法
- マスク
マスクの装用は、吸い込む花粉をおよそ3分の1から6分の1に減らし、鼻の症状を軽くする効果があります。使いやすいマスクは、顔にフィットし、息がしやすいもの、衛生面からは、使い捨てのものが推奨されます。
- メガネ
装用に違和感のない花粉症用メガネも販売されていますが、通常のメガネ使用だけでも、メガネをしていないときより眼に入る花粉量は減少します。
花粉が飛散している季節には、コンタクトレンズを使用している方は、コンタクトレンズによる刺激が花粉によるアレルギー性結膜炎を増幅するので、メガネに替えたほうがいいと考えられています。 - 服装
一般的にウール製の衣類などは花粉が付着しやすく、花粉を室内などに持ち込みやすいので、服装にも気をつけることが必要です。
綿またはポリエステルなどの化学繊維のものには花粉が付着しにくく、付着した花粉を吸い込む量を減らすことが期待されます。
人間の体で花粉が付着しやすいのは露出している頭と顔ですが、帽子をかぶることで頭への花粉の付着量を減らすことができます。 - うがいと洗顔
鼻の粘膜にはせん毛があり、粘膜の上の異物を輸送します。「うがい」は、のどに流れた花粉を除去するのに効果があります。
また、外から帰ってきたら「洗顔」して花粉を落とすとよいでしょう。顔を洗うと、花粉症の症状が軽くなることがあります。しかし、逆に眼や鼻の周りについた花粉がそれぞれ侵入し、かえって症状が悪くなる場合がありますので、注意が必要です。症状がひどくなる場合があれば、専門医に相談してください。
- 室内の換気と掃除
花粉飛散シーズンでもどうしても換気する必要のある時があります。換気時の窓は小さく開け、短時間にとどめることが必要です。開窓を10cm程度にして、レースのカーテンをすれば、侵入花粉を約4分の1に減らすことができます。侵入した花粉は、室内の床やカーテンなどに多数残存していますので、掃除を励行してください。
(2) 薬物による予防法
薬物を花粉症の季節の前から予防的に服用し始めると症状を軽くするといわれています。医療機関等にご相談ください。
(3) 花粉情報に注意する
全国各地域の花粉の飛散状況が確認できます。
環境省花粉観測システム(愛称:はなこさん)(新しいウィンドで開きます)
日本気象協会「花粉飛散情報」(新しいウィンドで開きます)
(4) その他に気をつけたいこと
睡眠をよくとり、規則正しい生活習慣を身につけることは、正常な免疫機能を保つために重要です。
また、風邪をひかないこと、お酒を飲み過ぎないこと、タバコを控えることも、鼻の粘膜を正常に保つために重要です。
4 花粉症の症状が出たら
花粉症の症状が出る季節は風邪の流行する時期でもあり、発症の初期はくしゃみ、鼻水など風邪と同じような症状が見られます。しかし、花粉症では、風邪とは異なり、眼の掻痒感を伴うことが多いです。
鼻や眼などの症状が重い場合は耳鼻咽喉科、眼科での受診をお勧めします。内科、小児科、アレルギー科などでも診療が受けられます。