大切にしたい長野市の自然
大切にしたい長野市の自然(改訂版)について
本市では、良好な生態系の保全復元を目指し、市内の自然や生態系の実態をまとめた「大切にしたい長野市の自然」(長野市版レッドデータブック)を平成15年3月に発刊しました。
本書では、絶滅の危険性が極めて高い稀少な種は、国や県のレッドデータブックに掲載されていることから対象とせず、「かつて身近に見られたのに、今ではなかなか見ることができなくなった」動植物種を中心に掲載しています。希少動植物だけを掲載するだけでなく、「人々の生活と関わってきた生きもの」、「地形・地質」、代表的な「湧水」、特色ある「地域」なども併せて掲載しています。
その後、豊野町、戸隠村、鬼無里村、大岡村、信州新町及び中条村とそれぞれ合併し、合併地域の有する豊かで広大な自然環境を引き継いだことから、合併地区を中心に内容を見直し、このたび、新たに「大切にしたい長野市の自然(改訂版)」を平成25年3月に発刊いたしました。
また、野外にも携帯して使用できるように、「大切にしたい長野市の自然(改訂版)」の内容を簡易にまとめた「フィールド版」も作成いたしました。この「フィールド版」はハイキングやピクニック、自然観察会や学校での環境教育において使いやすい大きさとなっておりますので、気軽にフィールドへ持ち出して、身近にある大切な自然を一緒に感じてみてください
大切にしたい長野市の自然(改訂版)は、販売や貸出しを行いますので、ご利用ください。
・大切にしたい長野市の自然(改訂版)販売・貸出について(別ページへリンクします。)
制作の目的
大切にしたい長野市の自然(改訂版)の作成に当たっては以下の5つの目的を掲げました。
1 かつては身近で普通に見られた動植物の保全・増殖を図るための取組に反映する。
2 環境学習の資料とし、広く市民の自然との共生について学ぶ機会に活かす。
3 調査段階から市民の協力を得て、市民の自然環境保全意識の高揚を図る。
4 公共事業をはじめ、各種開発計画において保全に対する配慮を求める基礎資料とする。
5 環境基本計画を進めていく上で、自然環境保全を図るための基礎資料とする。
選定の考え方
「かつて身近で普通に見られたのに、今ではなかなか見ることができなくなった」ことを、本書の対象とする動植物種の選定の考え方としました。
その中には、減少の目立つ種で何らかの保全対策が必要な種から、減少はしているもののもう少し継続的な調査を必要とする種、または、専門家の経験や知見から今後も減少が予測される種、調査が不十分で正確なデータが得られない種など、個々の種を取りまく状況はさまざまです。
そこで、現地調査の実施及び情報の収集の結果得られた生息状況に関するデータをもとに、下表に示す減少度(カテゴリ区分)の基準を設定し、個々の種のカテゴリ化を行いました。
なお、現在、国際レベル、国レベル、そして一部の都道府県では、定量的な評価基準を採用し、カテゴリ区分を行っています。しかし、本市では、種や生息地の減少度について定量的知見が少なく、数値による評価が不可能な種が多いため、定性的な評価基準に基づいたカテゴリ区分としています。
カテゴリ
・身近な減少種「減少極めて著しい」
30年前と比較し、個体数や生息域に極めて著しい減少があったと考えられる。
・身近な減少種「減少著しい」
30年前と比較し、個体数や生息域に著しい減少があったと考えられる。
・身近な減少種「減少」
30年前と比較し、個体数や生息域に減少があったと考えられる。
・注目種「今後の減少が予測される種」
30年前と比較し、個体数や生息域の減少は見られないが、今後の減少が予測される。
・注目種「近年生息を確認できない種」
30年前には見られたが、近年、確認することができない。
選定種数等
本書に記載する動植物種は、「植物」が99種(うち藻類3種)、「動物」が239種、合計338種となっています。また、「地形・地質」は39箇所、「湧水」は50箇所、「地域」は43箇所を選定しました。
希少な動植物の情報を募集しています
選定種の目撃・生息情報を、環境政策課までお寄せください。