展示室の紹介
鬼女紅葉伝説(きじょもみじでんせつ)
平安の頃、紅葉という高貴な女性が京の都から水無瀬(鬼無里)に追放されてきました。
村人は美貌と教養溢れる紅葉を敬慕し、内裏屋敷を造って敬愛しました。
しかし、紅葉は山里の暮らしに物足りなさを感じ、昼は村人に読み書きなどを教えていたものの、夜は変装して他村を荒らし回る生活を始めます。
やがて紅葉は鬼女と呼ばれるようになり、更に鬼女が京を狙っているという噂が流れました。
朝廷はその噂を聞き、平維茂(たいらのこれもち)に鬼女退治を命じました。維茂は多くの兵を連れ急ぎ討伐へ向かいましたが、紅葉の妖術を前に太刀打ちできず、失敗に終わります。
紅葉の妖術を破るためには神仏の力にすがる他ないと、維茂は別所北向観音に17日間参籠し必勝祈願をし、降魔の剣を授かりました。
剣の力で妖術は無効化され、ついに紅葉は征伐されました。
鬼女紅葉伝説の絵巻(画:飯塚正賢画伯)より