鬼無里の木食仏~サンキョさんの祈り~

         

とき/令和元年5月1日(水)~11月24日(日)

▽山居(1655~1724)

江戸時代中期の僧。明暦元(1655)年、現在の松本市に生まれる。13歳のときに奉公先の子を誤って死なせてしまい、罪を償うため松本念来寺の空幻上人の弟子になり出家する。 延宝4(1676)年、虫倉山で木食行(木の実や山菜を主食として読経や作仏をする)に入る。以来虫倉山麓の鬼無里、小川、中条などで庶民の生活とともに修行した。 元禄11(1698)年、小川村高山寺観音堂の修復に尽力し、同16(1703)年、万体仏作成の大願を成就する。 晩年は大町市弾誓寺で六世住職を勤め、享保9(1724)年に入定(即身成仏)した。

▽山居仏とは?

 山居上人が木食行の中で作成した高さ30cmほどの仏像。鬼無里では親しみを込めて仏像そのものを“サンキョさん”と呼びます。 山居上人は家々を読経して回りながら、薪や雑木から彫った仏像を家人に与えたと伝えられており、現在鬼無里では約60体ほどの山居仏が残されています。 荒削りで朴訥な小さな仏像は一体一体表情が異なり、そこには静かながらも様々な感情が浮かんでいます。
  罪を償うために出家した山居上人の人生はひたすらに祈りの人生でした。 その祈りの心から生み出された山居仏は家々の仏壇や囲炉裏の傍らの棚に置かれ、今も家族を見守りながらやさしく微笑んでいます。

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