更新日:2025年4月14日
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「健幸(けんこう)増進都市・長野」を目指す荻原健司市長が、日頃考えていることや感じたことなどを市民の皆さんにお伝えする「市長エッセー」を広報ながのに掲載しています。ぜひご愛読ください。
自宅に薪(まき)ストーブを設置した。長年の夢だった炎のある生活が、昨年末にやっと実現した。寒い外から帰った時にはそのままストーブの前へ。やっぱり炎の熱は一気に体を温めてくれる。温めてくれるのは体だけではなかった。ストーブを設置してからというもの、家族みんながストーブの前に集まってくるようになった。家族の会話が弾むようになり、これには心が温まった。
実は、ストーブの設置は、準備も予定も立てず、思い付いたように工事をお願いした。寒さの厳しい朝に、「こんな時こそ炎にあたりたい」と薪ストーブの前で手をこすり合わせる自分の姿が思い浮かんだ。さらに、ある有名な予備校講師のフレーズが頭をよぎった。「いつやるか?今でしょ!」
勢いに任せた工事は終わったものの、一番大事な燃料の無い状態からのスタートだった。大事な燃料、それは薪。そんなとき、ご近所さんはありがたいものだ。薪ストーブを設置したことを話すと「薪はいくらでもあげるよ」と言ってくれた。一般的に薪は屋外の日当たりと風通しの良い場所に保管し、2年から3年は乾燥させる必要がある。数年先を見越して十分な量を確保しなければならない。経験豊富な人たちからは、「薪の切り出しや乾燥も含めて、春から秋にかけては薪の準備期間。一年間ずっと薪の心配をしている」と言われた。いかに自分の考えが浅いものだったか思い知らされながらも、先を見据えた創造的な暮らしの始まりに期待が膨らんだ。
ところで、これからの社会はAI(人工知能)活用がより進展していくという。労働の省力化や効率化が進み、AI搭載ロボットが危険な業務を代替することで人命を守ると言われ、期待が高まっている。いつか薪の準備にもAI搭載ロボットが登場するのだろうか。だとすれば、肉体的な苦労もけがの心配もなくなるのだろう。でも、小型のおのを振りかざし、木が気持ちよく割れる音を聞くのは、生きている実感が湧く。この実感があるからこそ、薪ストーブは身も心も温まるのだと思う。
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