更新日:2025年4月14日
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「健幸(けんこう)増進都市・長野」を目指す荻原健司市長が、日頃考えていることや感じたことなどを市民の皆さんにお伝えする「市長エッセー」を広報ながのに掲載しています。ぜひご愛読ください。
また山菜の話か、と言われてもまた山菜の話。どうもこの季節には山菜のことを書いてしまう。「山菜は、自分の暮らしにとってかけがえのないものの一部だから・・・。」と格好つけても仕方ない。要は、私は山菜のとりこだからである。
春は、健康維持に効果があると言われる旬の山菜を美味しくいただく「勝負」の季節である。かつては、竹編みの背負い籠とおにぎりを持って一日中出かけることもあった。山の斜面に足をとられて滑り落ちたり、クマを見かけるなど危険なこともしばしばあった。なぜか、おいしそうな山菜は人の目や手の届かないところにあるものである。だが、目先の収穫に夢中にならず、安全第一を心がけることが大事だと思う。
雪解けの時季はやっぱりフキノトウ。天ぷらにフキ味噌(みそ)とお決まりの食べ方で春の到来を祝う。暖かさが増し「さあ、お次は・・」となれば、やっぱりコシアブラとタラの芽。それぞれ、山菜の女王、王様との呼び名の高い人気者は、どちらも天ぷらにするのが私の好きな食べ方で、衣を少し厚めに揚げるのが好み。そういえば以前のエッセーで、タラの芽の天ぷらに生ハムを巻く食べ方を紹介したことがある。改めて、抜群にうまい食べ方なのでお試しいただきたい。皆ではやらせて長野市の名物にしよう。他にも山菜をおいしくいただく工夫として、ワラビはわら灰と熱湯であく抜きしておひたしにする。手間はかかるがワラビのあく抜きはやっぱりこれがいい。歯ごたえもしっかり残る。コゴミをゆでる時間は1分ちょっと。この加減を厳守しないとおひたしの質が下がる。ギョウジャニンニクは細かく刻んでしょうゆ漬けにしておくとご飯のおかわり必至。ネマガリダケの味噌汁にはサバの水煮と玉ネギが必須。自然の恵みの味を最大限引き出すには採取の時期や調理法の一つ一つが慎重でなくてはならない。だから勝負なのだ。春のこの時季、「ずく」を出すことが自然への敬意と感謝にもなると思う。
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