更新日:2025年3月21日
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今回は、冬の戸隠に行ってきました。
前日の深雪により、市街地も白一色に雪景色が広がりました。
雪がちらつく中、戸隠に向かいます。
今回は、長野市が発祥と言われる新しいウインタースポーツの「雪板」と、国の指定を目指している戸隠の竹細工について、「戸隠観光協会」の山口輝文会長と共に冬の戸隠を探訪し、その魅力に迫ります。
その前に、戸隠と言えば「戸隠そば」。
まず、この戸隠そばを堪能しながら、山口会長に戸隠の魅力をお聞きします。
目の前に戸隠そば「ぼっち盛り」です。
山口さん「戸隠そばの歴史は古く、江戸時代から伝わっているんです」
荻原市長「江戸時代ですか。戸隠そばの歴史は300年以上前じゃないですか」
荻原市長「これはうまい。そういえば『戸隠そば』の打ち方って独特なんですよね」
山口さん「戸隠は、一本棒丸のしなんですよ」
荻原市長「一本棒丸のしと他のそば打ちの違いは何ですか」
山口さん「江戸打ち、三本棒角のしと言いまして、3本の棒を使って四角にのばしていくのが、一般に普及しているそば打ちですが、戸隠は1本の棒で丸くのばします。早いんです。」
荻原市長「早い方がいいんですか」
山口さん「食感や風味を引き立てることができるんです。また、丸くのばすので、そば切りの時に、切った端の部分がでるんですけど、それを丸めたのが『そば団子』になるんです」
荻原市長「全てを無駄にしない。戸隠の独特の文化ですね」
戸隠そばの技法は独特で、全てを無駄にしない。これはSDGs ハッ!ケン
荻原市長「おそばをしっかりいただきました。このざるは戸隠の代表的な工芸品の竹細工ですよね」
山口さん「おそばと非常にマッチングがいいんです。水切りが絶妙なんです」
荻原市長「マッチングがいいんですね」
山口さん「根曲がり竹は非常に硬い竹なんですが、3種類(厚さ、太さ)の違う竹を使って、一枚のざるになっているんです。平らにするのは熟練の技です」
工芸品の竹細工のざるは水切りが絶妙で、そばと非常に相性がいい ハッ!ケン
山口さん「戸隠で行われている事業を一つ紹介したいのですが、「西行千年桜の杜(さいぎょうせんねんざくらのもり)」をつくる事業で、オオヤマザクラの植樹を3年計画で進めています。100年後は桜満開の杜に」
荻原市長「100年後、100年計画ですね。壮大だな。次の世代に贈り物の事業ですね」
(イメージ図)
山口さん「奥社の杉並木の杉は、樹齢400年と言われています。あの杉並木も、長い間、計画的に進めてきたと研究で分かってきました。未来の情景を想像しつつ事業を行ってきた先代の取り組みを参考にして、100年後のオオヤマザクラの杜をつくっています」
荻原市長「桜を植樹しているのはどこですか」
山口さん「火之御子社(ひのみこしゃ)の周辺に、小学生・中学生にも協力してもらい植樹しました」
荻原市長「オオヤマザクラの杜の最終形はどうなるのですか」
山口さん「宝光社から森の中を抜けて中社まで神主さんが通うための道、【神道】(かんみち)といいますが、由緒あるゾーンにオオヤマザクラの杜をつくります」
100年後の戸隠に、オオヤマザクラ満開の杜がある ミライニオクリモノ!
山口さん「戸隠には、そばのほかにも長野発祥のものがあるんです。『雪板』です」
荻原市長「長野が発祥なんですね」
山口さん「今シーズンから戸隠スキー場でレンタルを始めたんです。戸隠スキー場に移動しましょう」
荻原市長「雪板、初体験なんですけど、楽しめますかね」
山口さん「はい。では行きましょう」
(戸隠スキー場に到着です)
山口さん「長野発祥の“雪板”です。戸隠スキー場の三ツ井さんに案内してもらいます」
三ツ井さん「戸隠スキー場の三ツ井です。荻原市長、これが雪板です」
荻原市長「これが雪板ですか。スノーボードと見ためも形も違いますね」
長野市が発祥と言われる新しいウインタースポーツの「雪板」。
雪板(ゆきいた)は、市内のプロスノーボーダーの五明淳氏が考案した、ボード(一枚の板)に乗って雪上を滑るウインタースポーツです。スノーボードと違って、ビンディング、エッジのないシンプルなボードで、サーフィンのように斜面を滑ります。
足がボードに固定されない状態で雪板に乗るため、滑りや動きの自由度が高く、気軽に楽しむことができます。
三ツ井さん「戸隠スキー場で今年度からレンタルしているんです。好きなものを選んでください」
荻原市長「そのまんま木ですね。これかっこいいですね。これにしよう。童心に帰って楽しみましょう」
(さぁ長野発祥の『雪板』にチャレンジです)
荻原市長「雪板で自然を楽しむぞ~」
三ツ井さん「エッジがないので曲がるには少しコツが必要なんです」
荻原市長「スノーボードはやったことがありますが、雪板にはエッジがないんですね」
三ツ井さん「リフトに乗って上に行ってみましょう」
荻原市長「楽しみだなぁ」
(上に行ってきます)
荻原市長「初体験ですけど、できそうな気がします」
三ツ井さん「スノーボードで基本ができていれば、感覚は分かるかもしれませんが、私も慣れるまでに少し時間が掛かったんですよ」
荻原市長「こんな感じかな」
三ツ井さん「荻原市長、“凄い”です」
荻原市長「楽しい~~~」
荻原市長「楽しいです『雪板』‼」
三ツ井さん「上手ですよ。ちょっと教えただけで、ガンガンいけっちゃったので凄いです」
荻原市長「とても楽しかったです。一枚の板でこの楽しさですからね。もっとこの楽しさを広めないといけませんね。ぜひ体験してみてください」
三ツ井さん「長野発祥の雪板を戸隠スキー場で楽しむことができますので、是非、お越しください」
とても楽しい長野発祥の新しいウインタースポーツ『雪板』がある ハッ!ケン
山口さん「次は、戸隠の魅力の竹細工を見ていただきたいので、移動しましょう」
荻原市長「竹細工ですか。楽しみです」
(中社公会堂に移動します)
山口さん「こちらでは竹細工の講習会を行っています。竹細工は、国の指定を目指しているんです」
荻原市長「国の指定ですか」
明治以降、生糸が国の主要産業として進められたことから、蚕具として需要が高まった戸隠の竹細工。
戸隠の竹細工は、すべて職人による手作りで代々引き継がれています。
機能とデザインを兼ね備え、堅牢でしなやかな美しさがあり、昭和58年に、その伝統的な技は長野県伝統的工芸品の指定を受けました。
山口さん「戸隠中社竹細工生産組合の組合長の曽根原さんと相談役の井上さんです」
荻原市長「よろしくお願いします。お揃いのTシャツですね」
井上さん「背中には戸隠竹細工と入っていて、看板背負ってやってます」(笑)
荻原市長「今日もこの竹細工の『そばざる』で、ぼっち盛りのおそばを食べてきたばかりなんです」
井上さん「戸隠そばと言えばこの『ざる』です。長く愛されている竹細工なので、この伝統工芸を何とか残したいと思って講習会を開いて、一人でも携わる人を増やしたいと思っています。誰かに保護されて残るのではなくて、自分たちで生活できるように残していくのが、竹細工生産組合の取り組みになります」
荻原市長「国の伝統工芸の指定を目指しているとお聞きしました」
井上さん「みんなで、それ(国の伝統工芸の指定)を目指しています。100年経っているものを集めているんですけど」
荻原市長「実際にありますか」
井上さん「実際に100年が経過していそうなものはあるんですが、書いてない(証明するものがない)ので、そこが難しいです」
戸隠の竹細工には歴史があり、丈夫で長く使える ハッ!ケン
荻原市長「経年の中で色合いの変化も楽しいですね。味わいがでてくる。竹も買ったものではなくて、採りに行って、地元の竹、地元の人、技法で、独りで作り上げる。凄いです」
井上さん「技法も道具も昔から変わっていないんです。こんなに変わらない仕事ってあるのかなと思います」
(竹細工、体験してみましょう)
曽根原さん「しっかり押さえて、先を引っ張って編んでいく」
荻原市長「急いじゃいけませんね」
荻原市長「引っ張って、入れて、締める」
荻原市長「そもそもまっすぐな竹を、カーブして編んでいくんですから大変ですね」
「少しずつリズムが出てきました」
曽根原さん「調子が出てきたね」
荻原市長「力は入れたほうがいいんですか」
曽根原さん「入れたほうがいいね。あれ、どこか違っちゃったかな」
荻原市長「本当だ」(笑)
「頭使いますね。やってみなきゃわからない」
「そばざるは、一日で出来るんですか?」
曽根原さん「竹を割って、編むまでの全ての作業で、一日2枚できます。材料を用意してあれば一日で4枚できます。今日は時間がないのでこの辺で、あとは仕上げておきます」
荻原市長「講習会に参加されてどうですか」
受講生「何回か参加させていただいていますが、まだまだです」
今回、冬の戸隠を探訪し、戸隠の自然を生かした「食」「スポーツ」「伝統工芸」を体験しました。
未来の情景を思い浮かべながら始めた事業、伝統のあるものを大切に引き継ぐ気持ちを見聞きし、改めて未来につなぐということを感じることができました。行政としても、活動などが継続していけるように、お手伝いしていきたいと思います。
受け継がれてきたもの、そして未来を思い浮かべ引き継ぐための取り組み。未来へつながるように。
戸隠は、多くのお客様に来ていただいておりますが、新しい発見や出会いも多くあります。
雪が解け始めたら、今度は、キャンプが楽しめるシーズンです。
自然豊かな戸隠を楽しんでいただければと思います。
祈りの道・癒しの杜 戸隠
詳しくは、戸隠観光協会のホームページ(外部サイトへリンク)へ
長野市には、いろいろ地域があり、それぞれのまち、地域の特色があります。
地域の方々の地域に対する深い愛情もあります。
その地域の方と直接お会いして、地域のよさを見聞きしたいと思いますし、さらに引き出したいとも考えていますので、住民の未来につなぐ活動や自然の持つ力など、新しい「出会い」と「ハッ!ケン」を探しに、いろんなところを探訪して、魅力あふれる長野市を紹介していきたいと思います。
次は長野市のどこを探訪しようかな。
※探訪してほしい「場所」「人」などの情報も受け付けております。
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