季節性インフルエンザの予防と療養
インフルエンザの基礎知識
インフルエンザと普通のかぜは違います
普通のかぜはさまざまなウイルスによって起こり、のどの痛み、鼻水、咳などの症状が中心で全身症状はあまり見られず、熱もインフルエンザほど高くなりません。
一方、インフルエンザはインフルエンザウイルスの感染によって起こる病気で、普通のかぜの症状の他、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身症状が強く、気管支炎・肺炎・中耳炎などを併発することもあります。
お子様ではまれに急性脳症を併発したり、ご高齢の方、呼吸器・心臓などに慢性の疾患を持つ方は重症化することが多いので、十分に注意が必要です。
インフルエンザの予防方法~普通のかぜと併せた一般的な感染対策~
- 流水と石けんを使いこまめに手洗いをしましょう。洗った後は、清潔なタオルかペーパータオルで水気をよくふき取ってください。
- 速乾性擦式消毒用アルコール製剤(アルコール分70%以上)による消毒も効果があります。
- 十分な栄養と睡眠をとりましょう。
- 人混みや、近づいて会話をする場面ではマスクをしましょう。
- 加湿器などを使って適度な湿度を保ちましょう。
- 咳エチケットを心がけましょう。
- インフルエンザワクチンは、接種すればインフルエンザに絶対にかからない、というものでありませんが、ある程度の発病を阻止する効果、また、重症化を予防する効果があるとされています。予防接種を希望する方はかかりつけ医とよく相談の上、接種を受けるか否か判断してください。
- 65歳以上の方等を対象としたインフルエンザ予防接種の助成(別ウィンドウで開きます)
インフルエンザにかかったときは~基本は安静と十分な睡眠~
- 発熱、咽頭痛、頭痛、筋肉痛などインフルエンザと思われる症状が出た場合は早めに医療機関を受診しましょう。
- 処方された薬は自己判断で中止せず、しっかり飲みきりましょう。
- 安静にして、休養をとりましょう。
- マスクをつけましょう。マスクをしていない時に、せきやくしゃみが出た場合は、ティッシュで口と鼻をおおうか、肘の内側で口をおおいましょう。
- 部屋の湿度を50%~60%に保ちましょう。
- こまめに窓を開けて換気をしましょう。
- 水分を十分に補給しましょう(お茶・ジュース・スープなど飲みたいもので結構です)。
- タオル・寝具は専用にしましょう。
- できるだけ個室で、家族の居室と区別しましょう。
- インフルエンザ発症前日~発症後3~7日間は鼻やのどからウイルスを排出するといわれています。排出期間の長さには個人差がありますが、症状が続いている場合には、周りの方へうつさないよう配慮しましょう。
- 症状が続いている間は外出を控えましょう。
看病する方もお気をつけください
- 吐いたものや便が付いた衣類などを扱うときはビニール手袋を着用しましょう。
- 看病の後は、流水と石けんによる手洗い、または速乾性擦式消毒用アルコール製剤による消毒を必ず実施しましょう。
- せきやくしゃみで汚染されたマスクは、外側に触れないようひもを持ってはずし、ふた付きのゴミ箱かビニール袋に入れて密封しましょう。
いつでも「咳エチケット」
咳やくしゃみのしぶきは1~2メートル飛び散るといわれています。「咳エチケット」は、インフルエンザを含めた呼吸器感染症を人にうつさないために、心がけたいエチケットです。
- 咳やくしゃみをする時はティッシュなどで口と鼻を押さえ、人から離れましょう。また、ティッシュがないときは、手の平ではなく肘の内側で口をおおいましょう。
- 咳の症状が続いている時はマスクを着用しましょう。
厚生労働省「咳エチケット」へのリンク(外部サイトへリンク)
消毒や洗濯など
- 患者が頻繁に触れる箇所(ドアノブ、テーブル、手すりなど)は、消毒液で湿らせた布やぺーパーで拭き取りましょう。
- インフルエンザウイルスの消毒には、70%以上の消毒用エタノールまたは0.1%の次亜塩素酸ナトリウムが有効です。
- 洗濯は通常の洗剤で行います。他の人の洗濯物と分ける必要はありません。患者が着ていた衣類等を触った後は流水と石けんで手洗いをしましょう。
- 食器は普段どおりに洗い、よく乾燥させましょう。
- 看病する人も体調管理に注意し、症状が出た時は、早めに医療機関を受診しましょう。受診するときは、マスクを着用してください。
約0.1%次亜塩素酸ナトリウムの消毒液の作り方
- 空の500mlのペットボトルに、ハイター等をペットボトルのキャップに軽く1杯入れる。
- ペットボトルいっぱいになるまで水を入れる。
- 作った消毒液は、時間がたつにつれて効果が減ってきますので、作り置きはせず、使用の都度作ってください。
インフルエンザ関連サイト
「インフルエンザ情報(季節性インフルエンザ)」(長野県ホームページ)(外部サイトへリンク)
「インフルエンザ(総合ページ)」(厚生労働省ホームページ)(外部サイトへリンク)
インフルエンザにかかったときの食事
こまめに水分補給
高熱がでたときは、発汗によって脱水症状が起こりやすくなります。のどの渇きを感じなくても、白湯やお茶、イオン飲料などで十分な水分補給を心がけてください。
食事は消化のよいものを
インフルエンザにかかったときは胃腸も弱っていますから、脂肪が多い食品、香辛料などを使った刺激の強い料理は避けてください。消化がよく、温かい料理をおすすめします。
食欲がない時も、少し食べましょう
食欲がなく、普段どおり食事をすることが難しい場合は、時間を決めず、食べられるときに食べられるもの少しずつ食べるようにしましょう。
食欲が出てきたら
症状が回復してきたら、栄養バランスのよい食事を心がけましょう。消化能力が低下しているので、食欲がでてきたからといってたくさん食べるとおなかを壊してしまうこともあるため食べ過ぎないようにしましょう。
回復を早めるビタミン・ミネラルの補給に有効な、ほうれん草やニンジン、カボチャなどの緑黄色野菜を加えたスープを、少しずつ摂るのがおすすめです。