更新日:2023年7月11日
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平成30年7月、望まない受動喫煙の防止を図るため、健康増進法の一部を改正する法律が成立しました。子どもなど20歳未満の人や、病気をお持ちの患者さん、妊婦さん等は受動喫煙による健康影響が大きいことを考慮して、こうした方々が多く利用する施設や屋外について「望まない受動喫煙を生じさせることがないよう周囲の状況に配慮しなければならない」とされています。たばこを吸うときは“配慮義務”が定められていることを意識し、周囲への配慮をお願いします。
たばこの煙は風のない状態で半径7メートルの範囲で、においと化学物質が届くと言われています。風があるとその広さは2~3倍になります。
学校、公園など子どもが利用する場所や、駅の周辺や歩道などの人通りの多い場所では「望まない受動喫煙」が生じやすくなります。隣に人がいなくても、少し先に人がいれば煙は届きます。公園のベンチで喫煙した煙が遊具で遊んでいる子どもに届いたり、駐車場の車の中で喫煙した煙が開いている窓を通って隣に停めている車の中に入っていったり・・・といった可能性があります。また、飲食店などの店舗の出入口付近に設置してある灰皿などで喫煙する際も、歩道を歩く人やお店の利用者に望まない受動喫煙が生じていないか、周りを見回してみましょう。
庭やベランダで喫煙した場合、その煙やにおいは近隣の家に届いているかもしれません。換気扇の下で喫煙した場合、その煙やにおいは排気口から外に出て、近隣の家の換気扇や通気口、窓を通って室内に流れ込んでいるかもしれません。プライベートな空間ではありますが、たばこの煙の行き先について、配慮をお願いします。
サードハンドスモークは、「残留受動喫煙」とも言い、喫煙した後も存在する「目に見えない」ガス状の有害成分を吸い込むことです。たばこに含まれるニコチンなどの化学物質は、喫煙者の吐く息や髪の毛、手の指、衣服や部屋のソファーやカーペット、カーテン、車のシートなどの表面に付着し、長期間残留します。そして空気中の物質と反応して新たな有害物質になります。
部屋で過ごす時間が多いと、壁やカーテン等に付着した有害物質に長時間さらされます。また呼吸回数が多く成長・発達段階にある子どもは、カーペットでハイハイしたり、ソファーに寝転んだりするため、影響を受けやすく配慮が必要です。
喫煙者の吐く息にも大量のガス状物質が含まれます。また、喫煙後の吐き出す息が、他の人に影響がなくなるまで約45分間かかることがわかっています。離れた場所や喫煙所等で喫煙したあと、すぐに子どもを抱っこしたり、近くで会話をしたり・・・目の前で吸っていなくても、吐く息からの有害物質は影響を及ぼします。目の前で吸っていないから大丈夫ということではないですね。
喫煙者と非喫煙者が混在する環境において、望まない受動喫煙や目に見えないサードハンドスモークを防ぐためには、喫煙者の周囲の方への配慮が不可欠です。受動喫煙を防ぐ最大の対策は、「たばこを吸わないこと」です。自分のために、周りの人のために、禁煙に取り組んでみませんか?
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