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【予告】 令和7年度 長野市立博物館 秋の企画展

展示概要

 多くの善光寺参詣者を迎えてきた善光寺町。その中央を通る「善光寺表参道」で親しまれてきた建物のひとつに藤屋御本陳があります。かつてはホテルとして利用されていた和魂洋才の建物は、2025年に築100年を迎えました。
 近世には宿場としても栄えた善光寺町において、藤屋は大名などが利用していた本陣であり、当主は代々平五郎を襲名してきました。平五郎たちは日記をしたためていました。日記の中には、身近なことを傍らに書き留めておくという意味の「座右記」という題がみられます。
 本企画展では、江戸時代末~大正の「平五郎の日記」からわかることを中心として、藤井家に伝わる様々な資料を展示し、時代とともに変わり行く町と藤井家の姿を紹介します。


△藤屋旅館建設時の完成予想図
当館蔵
△現在の藤屋旅館 
THE FUJIYA GOHONJIN 本館 
藤屋御本陳提供





長野市立博物館 令和7年度秋季企画展
「平五郎座右記~藤屋御本陳と変わり行く門前町~ 」

 2025年10月11日(土) ~11月30日()

休館日10/14(火),20(月),27(月)、11/4(火),10(月),17(月),25(火)

会場: 長野市立博物館 特別展示室

入館料: 一般500円、高校生150円、小・中学生100円

☆土曜日は子どもウェルカムデーにつき小・中学生入館無料
☆文化の日(11/3)は入館無料
☆入館料で常設展示室と特別展示室、どちらも観覧可能です



チラシの
PDFはこちら


関連イベント 

藤屋御本陳館内拝観


藤屋御本陳の見学会です。食事をするだけでは見ることのできない建物の内部を、特別にご案内いただきます。

とき/10月29日(木)午前10時~
場所/藤屋御本陳(現地集合)
定員/先着20名程度(当日参加も可能、ただし電話予約優先)
問い合わせ先/長野市立博物館(026-284-9011)



展示構成・主な展示品

プロローグ  大正14年、和魂洋才の館


 大門町の大通りを拡張することに伴い、大正14年に建設された藤屋旅館は、善光寺門前、そして北国街道の宿場町として発展してきた町の精神を引き継ぎながらも、アールデコ調を模した洋風建築でした。この建物が建設された時代は、町が広がり、江戸時代からの町並みが新しくなった頃でした。移り行く時代とともに人々を迎えてきた善光寺門前を象徴する建物といえます。

第1章  「御本陳」と善光寺宿


 江戸時代ににぎわいを見せた善光寺町。中でも、大門町には北国街道が通り、宿が多くありました。そこで、藤屋は諸大名が休息をとる本陣の役目をつとめていました。当館が所蔵する「善光寺宿本陣藤井家文書」などを中心に、江戸時代における善光寺宿のにぎわいや藤井家がつとめた本陣としての役割を紹介します。

第2章  平五郎と長野の近代化


 人々が鉄道を利用するようになった時代、藤井家は對旭館(たいきょくかん)という旅館を経営し、長野停車場近くに支店を設けます。明治に制度が変わるのに対応し、新たな体制に乗り出すとともに、旅行組合の組織化にかかわりました。また、平五郎は長野市会議員となります。県庁所在地となり町の人口が増え、鉄道が通り、電燈がともる、といったように、町が徐々に変化していく様子を、「平五郎の日記」を入り口に紹介します。

第3章  町の広がり―大門町と藤井家―


  大正後期には、町、さらには長野市が広がります。近世には伝馬町であり北国街道の旅籠があった大門町は、交通の要所という性格を持ち、近代には長野停車場と善光寺を繋ぐ道の途中ともなったため、道の拡幅によって交通の便をよくすることが求められました。 また、長野市では都市整備が進められ、大正12年に一町三ヵ村と合併し、大門町の中央の通りは中央道路と呼ばれるようになります。この時、道路に面していた藤屋は引き込みが必要となり、立て替えられました。

エピローグ  変わり行く町、変わらない心


  町や参拝者の変化に応じて、藤屋は姿を変え、本陣からホテル、そしてレストラン・ウエディング事業に転換します。時代が変わる中でも、藤屋は江戸時代からつづくおもてなしの心で人々を迎え、多くの人々を惹きつけてきました。







△藤井家文書 日記類
当館蔵

△藤屋 長野停車場前支店
当館蔵
△「善光寺境内及付近之図」表紙
当館蔵

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