ホーム > 観光・文化・スポーツ > 歴史・文化財 > 歴史・文化財情報 > 埋蔵文化財の発掘調査について
更新日:2024年2月26日
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埋蔵文化財は、地域の歴史や文化の成り立ちを知るうえで欠かすことのできない貴重な遺産です。そのため、現状を変えないよう適切に保存され、後世へと伝えていかなければなりません。
しかし、建物や道路の建設などによって、やむを得ず遺跡が破壊されてしまうことがあります。この場合、工事の前に発掘調査を行い、埋蔵文化財を記録として保存します。
ここでは発掘調査の進め方について説明します。
発掘調査に入る前に、立木を伐採して、表面に積もった土砂を取り除きます。
事前に試し掘りを行い、遺跡の深さを調べた上で、バックホーなどの重機で慎重に掘ることもあります。
表面の土を取り除いた後、遺跡の痕跡を探すために少しずつ土を削っていきます。
土を削ると、地面に丸や四角の土の色が違う部分が見つかります。これは、竪穴住居や溝など、昔の人が生活のために地面を掘った痕跡です。
考古学では、このような痕跡を遺構(いこう)と呼んでいます。
遺構の範囲が分かったら、次は遺構ごとに少しずつ掘っていきます。
住居跡の場合、そこでの生活に使われた物や住居が使われなくなってから捨てられた品々が埋まっています。
このような当時の人が使っていた物を遺物(いぶつ)と呼び、慎重に取り上げていきます。
昔の住居の跡が掘りあがりました。住居跡からは、かまどの跡や土器など様々な生活の痕跡が見つかります。
このような遺構や遺物の位置や深さなどについて、写真や図面に残すことで遺跡を記録します。
これで現場での発掘作業は終了です。出土した遺物は埋蔵文化財センターへ運ばれ、整理作業に移ります。
発掘作業で見つかったほとんどの遺物は、泥だらけの破片で見つかります。
整理作業では、まず遺物についた泥を洗い落とします。
筆やブラシを使ってていねいに洗われた遺物は、どこから出土したものか分かるように小分けにして乾かします。
洗浄の済んだ破片を、形や厚さ、色、文様などを見ながら、ジグソーパズルのようにつなぎ合わせていきます。
この作業を「接合」といい、丹念に行うことで、昔の人が使っていた当時の形が徐々に明らかになってきます。
接合によって復元された遺物は、形や文様などを実測して、図面にします。
遺物の形や文様は、遺物がつくられた時期や地域などの特色が現れるため、細かな特徴を一つ一つを記録します。
報告書の内容
(遺物の出土位置)
報告書の内容2
(出土遺物の写真)
発掘作業と整理作業でつくられた図面を整理し、報告書を作成します。
報告書には、発掘調査で見つかった遺構(建物や溝、墓などの痕跡)や、出土した遺物についての資料が掲載されます。
発見された遺構や遺物を分析することで、どのような性格の遺跡であったのかが推測されます。
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