吐いたら
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吐いたら
嘔吐は子どもによくある症状です。乳児では、げっぷをするときに少量のミルクをよく吐きます。年長児ではかぜや胃腸炎で嘔吐することが多いですが、重い感染症や腸閉塞などの消化器官の異常、糖尿病などの代謝の病気でも嘔吐が起こります。
急いで受診の目安
- 生後3か月未満の乳児が熱を出して吐いた
- 繰り返し吐いて、元気がなく、ぐったりしている
- 嘔吐物に胆汁(黄緑色の嘔吐物)や血液(赤黒い嘔吐物)がたくさん混じっている
- 頭を強く打った後、24時間以内に吐いた
解説
- 高熱があって吐き続けている場合には、髄膜炎や脳炎が考えられるので受診が必要です。
- 嘔吐が続くと脱水症になることがあります。うとうとしている場合は重症と考えられます。
- 血液や胆汁を吐いている時は、腸からの出血や腸閉塞などの重い疾患である可能性があります。
- 事故などで頭を強く打った場合は、落ち着いているように見えても入浴やシャワーは控え、1、2日は様子を観察してください。頭を強く痛がったり、嘔吐したり、発熱した場合は、頭蓋内出血の恐れがありますので受診が必要です。
- 嘔吐に続いて下痢をしたり、お腹を痛がったりする場合は、ウイルスや細菌による胃腸炎がほとんどです。機嫌が良くて元気のある時は、吐かない程度に経口補水液で少しずつ水分を取らせ(【水分補給の方法】参照)、家庭で経過を観察しましょう。
【水分補給の方法】
- 嘔吐から5~10分待って5ミリリットル程度の少量から経口補水液を5分おきに与える。(目安はティースプーン1杯またはペットボトルのキャップ4分の3程度)
- それでも吐く場合、重症でなければ経口補水液を5ミリリットル程度、5分おきに与える続ける。重症ならすぐ受診。
- 嘔吐が治まったら、与える量を50~100ミリリットルに徐々に増やす。
ポイント
- 吐いたらむせないようすぐふき取り、口をすすぎましょう。
- 嘔吐物のにおいが残らないよう着替えさせ、空気を入れ換えましょう。
- 嘔吐物はいつ食べたものか確認しましょう。
- 吐き気があれば、うつぶせか横向きにしましょう。
この内容は、あくまでも目安であり、一般的な内容です。
子どもの救急・急病ガイドブック(全体版)